とあるご家庭は、以下の3点を徹底していたそうです。
・テレビを置かない
・スマホ、ゲームを与えない(スマホを与えるのは高校から)
・勉強しなさいと言わず、小さい頃から親が勉強している姿を見せる
このご家庭は、「1.テレビ、2.スマホやゲーム、3.口出し」の3点が勉強のやる気をなくす原因だと考え、幼少期から徹底していたそうです。
この環境であれば、子どもに自分から勉強するようになります。逆を考えたら、より理解ができるのではないでしょうか。
・テレビがいつもついている
・スマホ、ゲーム依存である(親も)
・毎日「勉強しなさい」怒られる
「自分が子どもだったら・・・」と想像していただきたいのですが、この環境で自分から勉強したいと思いますか?
各ご家庭でそれぞれの事情はあると思いますので、冒頭のご家庭のマネをするのは、現実的には難しいかもしれません。マネは出来なくても、近づけることはできませんか?
1.勉強する時間はテレビを消す(ついていると見てしまうから)
2.スマホ、ゲームは制限をかける(制限しないと誰でも依存になるものだから)
3.「勉強しなさい」と言わなくてもいい環境を作る
成績上位のご家庭では、テレビはあるだけで、ほとんど見ないご家庭も少なくありません。
1と2は、今日からできると思いますので、3を以下で具体的に解説していきます。
部屋に集中を妨げるものを置かない
「大きくなったら子どもに1人部屋を」と考えるご家庭も多いかと思います。思春期における1人部屋は、プライベート尊重のため大切な場所です。
しかし、1人部屋は小中学生の勉強には向いていません。見ている人が誰もいないと、勉強をさぼります。
どうしても1人部屋で勉強する場合は、ゲームやスマホや漫画などの誘惑物は、絶対に部屋から出しましょう。あるのは、机といすのみ。ベッドは仕方ないかもしれませんが、ベッドがあると、人間は寝ます。
誘惑物を部屋に置いてしまっている場合、誘惑物には勝てないので、自分の部屋では勉強をさせず、リビングでさせましょう。
言うまでもないことですが、リビングは徹底的に片付け、誘惑物は置かないようにしましょう。
参考までに、我が家の画像を載せます。やるべきことに集中するため、余計なものは持たないミニマリストです。
さらに、子ども 4人を東大合格に導いた佐藤ママの家の勉強環境も紹介しておきます。
・テレビやソファを置かない
・「リビングに」学習机を置く
・両親も同じ空間で一緒に勉強する
・エンタメは非日常のイベントとする
冒頭のご家庭より、さらに条件が厳しくなりますね。まさに勉強のための毎日、遊びはごほうびという感じです。
さて環境が作れたら、今度は子どもをどう勉強させるかを説明します(環境が整っていない状態で、以下の内容を試しても、おそらく上手くいかないと思うので、まずは上記の環境作りからお願します)。
親が勉強を楽しむ見本なる
子どもの考え方と行動の8割は親の影響と言われていて、親の考え方と行動をマネします。何も知らない子どもが、生まれて初めて学ぶ先生は、お父さんお母さんだからです。
つまり親自身が勉強している姿を見せてこなかったら、自分からは勉強するようにはならないということです。
・親が読書をしている姿を見せる→子どもも読書をするようになります
・きれいな言葉を使い、人に対し感謝や敬意を伝える→子どもも親の行動をまね、人に好かれる性格になります
このように子どもへのしつけは、常に親が見本を見せましょう。勉強に限りませんが、子どもが幼い頃からあらゆることにおいて、親が「言葉ではなく行動で」見本を見せ続けることが大事です。
子どもは見ていないようで、しっかり見ています。言動と行動の不一致は見抜かれ、従わなくなります(我々も「口だけの上司」には従いたくないですよね)。
親が嫌々やっていることは子どもも嫌がり、マネをしてくれません。自分の悪いクセは「マネをされてはいけない」と考え、即改善しましょう。
マネをしてもらいやすくするには、
・毎日楽しく
・当たり前のように
見本を見せるのがポイントです。
子どもの前では「勉強は毎日やる楽しいもの」というイメージを植え付けため、役者になってください。
お子様がまだ親の言うことを聞く小学生低学年でしたら、「一緒に勉強しよう!」で一緒に勉強していただければOKです。宿題や自学が自分でできるようになってきたら、少しづつ声掛けを減らしていきましょう。
小学1年生で、言わなくても自分から勉強をする習慣が作れたら、本当に子育てが楽になります。
学校の課題のせいで親子仲が悪くなる?
余談ですが、 小学校で音読の宿題があると思います。上手く読めなくても、ダメ出しせずにほめてあげてくださいね。肯定的な対応をし続ければ、必ず上達します。
ダメ出しばかりしたり、ちゃんと聞いてあげなかったら、次第にやらなくなりますので、ご注意ください。
また、学校から「お子様の勉強を見てあげてください」「保護者様がドリルの〇付けをしてあげてください」 などとお願いされることがあると思います。
私はあれは反対です。大きな声では言えませんが、そのお願いは大人の事情だからです。
・親が勉強を教えると、ケンカになるケースが多い
・〇付けを自分でやらせないと、見直しやミスを発見するクセがつかない
などマイナス面が多いです。
塾でやらせてしまえば、ドリルを〇付けまで自分で出来るようにさせ、私が最終チェックまでしますので、塾でやらせることをおすすめします。音読だけはご家庭でお願いします。
勉強を習慣にする方法
例えば「20:00~21:00はTV、スマホ、ゲーム等禁止で家族全員がリビングで作業をする」 というルールを作ったとします。※ここでは仮に「成長タイム」と名付けます。
成長タイムが上手くいくポイントは
・両親が成長タイムを楽しむ
・成長タイムに子どもが勉強しなくても叱らない
・数分だけでも自分からやりだしたら、その行動をほめる(習慣になるまで)
・子どもの成長タイムの内容や方法に干渉しすぎない(やる気を下げないため)
これらを「最低でも3週間」は続けます。すると次第に子どもは、毎日勉強することが当たり前の状態になっていきます(行動心理学の実験結果)。
習慣なのですから、やる気は必要ありません。「やる気を出して歯を磨こう」という人はいませんよね。このように行動が習慣になると、やる気がなくても勉強できるようになります。
仕事から疲れて帰っても、家事は誘惑に負けずにできますよね。それは家事が毎日の習慣になっているからです。
勉強が本格的に始まる小学1年生から、ご家庭で勉強習慣を作ることができたら、子育てが本当に楽になります。
頑張っている人がいる環境だと勉強するようになる
当塾は上の画像のように小中高生が一緒の教室で勉強し、先生に指導を受けるときは1:1という、集団と個別のいいところどりをした学習塾です。
一軒家でアットホームな環境の当塾が意識している学習環境は、ご家庭のリビング学習です。リビング学習法が効果的なのは、いつでも質問のできるお母さんが近くにいる安心感の中で、勉強できるからです。
勉強に慣れてくると、徐々に勉強時間も伸ばしていきます。
画像の小学2年生は先輩と一緒のせいか、最初は1日60分だった勉強時間が、自然と120~180分まで増えました。頑張っている人の中で勉強すると、自然と自分から勉強するようになるのです。
先輩は年上としての自覚から、カッコいい姿を見せようと、より努力するようになります。後輩は受験生や先輩の頑張りを身近で感じながら、未来を見据えて勉強していくことができます。
上下関係の中で礼儀やマナーも自然と身に付き、社会性も育成されます。結果として、同学年と勉強するよりも成長が早まります。当塾に通わせることで、勉強以外の成長にも喜んでいただけることも多いです。
<おまけ>断捨離をすると子育ての悩みも減ります
最後にまとめとして、僭越ながら私の話をさせてください。
私自身、日々意識していることを1つ挙げるとすると、「心の余裕をなくさないこと」です。そのための具体的な方法が、断捨離です。
今の私の物の総数は200くらいです。一般家庭の物の数は、1人あたり1000~1500くらいらしいです(とある整理収納アドバイザーのブログより)。
ちなみに教室も、勉強に関係しないものは一切置かないようにし(観葉植物などは除く)、勉強に集中できる空間を作っています。
物を減らすと、部屋がスッキリするので、毎日気分よく過ごせます。ときめくものしか残らないので、さらに気分がいいです。
断捨離で私が一番のメリットだと思うのは、お金や人間関係など、あらゆる執着が減ることです。
子育てには無意識的にたくさんの執着が付きまといます。そこで、子育ての悩みを減らしたいという方に、私が一番おすすめするとしたら、間違いなく断捨離です。
教育や子育てとは関係ないと思うかもしれませんが、こればっかりは実行していただかないと分からないかもしれません。ぜひ1か月で、物を8割減らしてみてください。
今までの悩みは何だったんだろうと思うはずです。本当に世界が変わります。