入塾後、親がすべきことや気をつけるべきことは?

 

当塾では保護者様に学習指導や管理をお願いすることは、一切ありません。お願いしたいのは送迎と、以下の5点だけです。

 

・笑顔

・ほめる

・認める

・見守る

・見本になる

 

上記5点を徹底していただいたご家庭は、100%成績が上がっています(学習障害などの場合は除く)

 

逆を言うと、今まで子どもを「ほめず、認めず、ダメ出し、怒ってばかり」いたご家庭は、入塾しても、どうしても成績を上げるのに苦労します。

 

私はよく、「塾での勉強はダイエットと非常に似ている」という話をします。

  

・ジムでの運動=塾での勉強

・食事制限=子どもの家での過ごし方や、保護者様の子どもへの接し方

 

運動しても食事制限をしないと、基本的に人間は痩せませんよね。痩せる気がない人を無理矢理ジムに連れていっても、運動しないのと同じで、やる気のない状態で塾に来ても、子どもは勉強に集中しないことはご理解いただけますよね。

 

以下で詳しく解説します。

 

 

家での接し方が、子どもの勉強のやる気を決める

 

当塾では、勉強を丸投げできるといっても、通うだけで成績が上がるわけではありません。

  

どういうことか、話を分かりやすくするために、あえて一例を出します。

 

「○○さんの奥さん、お前よりキレイだし、料理も上手なのに、なんでお前はできないんだ。努力が足りないんじゃないのか」と言われて、「よし、頑張ってキレイになって、美味しい料理も作ろう!」とやる気になるお母さんはいますか?

 

こんなことを言われたら、誰でもやる気はなくなるはずです。人は他人と比較せず、成長をほめ、認められることで、やる気が生まれます。

 

他人との比較は残酷なまでに人を傷つけます。比較された上に、ほめられず承認されず、強制や否定をされ続けたら、誰だってやる気はなくなります。

 

こうした教育を子どもに対して日常的にやっている方が多いのが、日本です(我々が受けてきた過去の時代の教育が影響しているので、あなたを責めているわけではありません)。

  

 

では、怒り方はどのようにすればいいですか?

 

という質問がよくありますが、 「怒る必要は一切ありません」が私のお答えです。※ここでの「怒る」は、「子どもに対し感情的に指示や命令をする」という意味で使っています。

 

子どもに問題があるから怒ってしまうと思うのですが、心理学では、怒るから問題行動が発生すると考えられています。

 

のび太君のママ、クレヨンしんちゃんのみさえの子どもへの接し方と、出木杉君やしずかちゃんや風間君のママの接し方を思い出してみていただけと、親の接し方の違いが分かると思います。

 

私も先生を始めたばかりの頃は、怒る指導をしていました。生徒指導が上手くいかないことが多かったです。

 

様々なことを勉強し、怒ることが原因だと分かってからは、怒ることをやめました。すると生徒指導が上手くいくことばかりになりました。

 

 

ある保護者様がこんなことをおっしゃっていました。

 

「怒ることで誰か幸せになりますか?怒るメリットなんて何もないですよね?怒ったほうは気持ちがスッキリしますが、子どもとの関係は悪くなるし、怒った後に罪悪感があることを考えたら、誰にとってもマイナスしかないって気がついたんです。」

 

その後、「笑顔、ほめる、認める、見守る、見本になる」の 5つをご家庭で徹底したそうです。

 

すると、子どもは親が怒るような行動をしなくなりました。子どもは自分を大切に扱ってくれる人を怒らせたくないですから。

 

どの子もお母さんが大好きです。大好きなお母さんから、ほめられず、認められず、毎日怒られていたら、悲しいですよね。

 

もちろん、すぐにこの方のように切り替えるのが難しいのは、分かっています。そういう方は、まずは「怒らない」ことから始めてみることをおすすめします。

 

テクニックが知りたいという方は、「アンガーマネジメント」など感情をコントロールする本もたくさん出ていますし、ネット検索でも解説サイトが見つかりますので、参考にしてみてください。

 

  

問題行動や苦手克服の方法はどうすれば?

 

お母様が一生懸命作られている料理に対して、家族から事あるごとに

・味がいまいち
・盛り付けが下手
・彩りが食欲をそそらない

などダメ出しばかりをされたらどう感じますか?

やる気が出て、もっと努力しようと思うでしょうか?きっともう作りたくなくなると思います。

しかし以下のように言われたらどう感じますか?

・忙しいのにいつもありがとう!
・作るの大変なのに、作ってくれて嬉しい!
・お母さんが作ってくれると、何でも美味しく感じる!

やる気が出て、もっと美味しい料理を作ってあげようと思いませんか?


我々が言われて、やる気が出る言葉も、やる気がなくなる言葉も、子どもも同じなんです。同じ人間なのですから。苦手を改善しようとするのがよくないのは、自分に置き換えたら理解できますよね。

 

つまり、苦手な分野の勉強も頑張るようにさせるには、得意な分野を「すごいね!」とほめてあげることです。子どもはほめられたことに自信を持ちますから、思考と行動が前向きになり、苦手に挑戦するようになります。

 

さらに親自身が、普段から苦手なことに挑戦し、克服している姿を見せていれば完璧です。以上を繰り返していけば、自分で苦手克服をするようになります。

  

 

 

どうしても子どもの勉強のことが気になり、心配が抑えられない方がいました。

 

・どう復習させたらいいでしょうか?

・何か教材を買ったほうがいいでしょうか?

・私が教えたらケンカになってしまいました

・○○は出来るのですが、○○が苦手なようです

・先生からアドバイスをしていただきたいです

 

ここまで読んでいただいた方は、こうした行動が子どもにとってよくないことだと、ご理解いただけると思います。

 

生徒と話していると、「お母さんが○○(勉強内容)するように言っていたので、○○をやります」と間接的に聞くこともあります。私がその言葉を聞いたときは、「自分ではどう思うの?」と聞くことにしています。

 

親から言われて動く勉強では、成績は上がりづらいからです。そして、当塾で目指している自立と真逆の教育だからです。

 

非常に申し上げにくいことですが、親から子どもへの勉強への手出し口出しは、医者ではない人が、治療方針を考え、投薬をするようなものです。投薬で一時的に症状を抑えることはできるかもしれませんが、根本治療にはなりません。

 

万が一、その薬が逆効果だった場合、望んだ結果と逆のことが起こります。

 

・勉強のことで怒りたくないのに、毎日怒っている

・言わなくても勉強してほしいのに、言わないと勉強しなくなった

・休みの日は色々なことをしてほしいのに、ずっとダラダラしている

・テストが返ってきたら自分から見せてほしいのに、言わないと見せなくなった

 

心当たりがありませんでしょうか?あなたはこうなった原因が分かっているはずです。

 

 

教育のプロでも我が子に勉強を教えると上手くいかない

 

 

全国に塾の先生の知り合いがいますが、自分の子の勉強を、自分で教えない人が多いです。プロでさえも親子で勉強すると、理性よりも感情が優先され、上手くいかないことが分かっているからです。

 

そういった事情も鑑み、当塾では子どもの勉強面を塾に全てお任せできるシステムにしています。

  

周囲が自分の子より、点数がとれていたり、受験をするという話を聞くと、焦りや不安や心配が生まれ、子どもの勉強に口を出したくなる気持ちは分かります。 

 

さらに仕事や家事に追われる忙しさの中で、時間や心に余裕がない状態の方がいるのも十分理解しています。

 

心を亡くすと書いて「忙しい」という字になります。心の余裕を亡くすと、人の悪いところが目につきやすくなり、イライラしやすくなります。そのような子育てはしたくありませんよね。

 

感情のコントロールは大人の仕事です。そのために塾を教育パートナーにし、お子様の学習管理を手放してほしいのです。それだけで時間と心の余裕が生まれます。

 

その時間と心の余裕で、どうかご自身の心を満たす行動をしていただきたいです。

 

あなたは、向上心が高い素晴らしい親です

 

ここまでの内容を読むと、自分の子育てを否定されたように感じる方もいると思います。私はあなたを否定したいわけではありませんから、安心してください。

  

子育てで間違いや失敗、上手くいかなかったときには、誰もが反省をします。反省をするということは、向上心が高い証拠です。

 

世の中にはよく、人のせい、環境のせいばかりにしている方もいますが、そういう方は往々として、「自分も悪いのでは?」という視点が抜けています。痛みを感じたあなたは、必ず改善できます

 

真面目な日本人は、反省から「私はダメだ」という人己否定へと、いつの間にかすり替えられてしまう人が多いです。自己否定をし続けた結果、罪悪感、無価値感が増幅し、どんどん自分に自信がなくなり、自己嫌悪につながっていきます。 

 

すると、いつしか子どものダメな点ばかり目につくようになり、失敗も許せなくなり、子どもを責めてしまうようになります。

 

あなたが子どもを責めると、責められた子どもも自分を責め、自己肯定感が下がります。それを見た親はさらに自己否定を重ね、さらに自己嫌悪を深めてしまいます。マイナススパイラルです。

 

どうか反省だけで止めていただき、ご自分を責めないようにしてください。あなたはすごく子ども思いで、真面目に子育てに取り組む向上心が高い素晴らしい親です。

 

自分のために生きている親を見て子どもが変わる

 

 

親が、

・子どものために人生を生きているか?

・自分のために人生を生きているか?

 

成績が上がるご家庭と、上がらないご家庭の子どもへの接し方の違いです。

 

ここまで読んでくださった方なら、お分かりかと思いますが、成績が上がるご家庭は、「親が自分のために人生を生きている」ご家庭です。

 

例えば、勉強面で過去の自分と同じ経験をしてほしくない(あるいはしてほしい)親がいるとします。

 

前者の親は、子どもに自分と同じ後悔をさせないよう、教育熱心になりがちです(※勉強を本気で頑張ってこなかったという後悔)。一方、後者の親は、その後悔を反省し、「自分自身が今」本気で勉強に取り組んでいます。

 

勉強で成功体験のある前者の親も、子どもに自分と同じ体験をしてほしいため、教育熱心になりがちです。一方、後者の親は、自分の人生を充実させるために、「自分自身が今でも」楽しく勉強に取り組んでいます。

 

つまり、子どものために人生を生きている親は、子どもを子どもとして扱うため、どうしても気持ちが入りすぎてしまい、過干渉になりがちです。過干渉に育てられた子どもは、どんどん自立心をなくしていきます。

 

自分のために人生を生きている親は、子どもを一人の人間として大人と対等に扱うため、余計な執着がなくなり、気持ちに余裕が生まれ、適切な距離が保てます。人生を充実させようとしている親を見ている子どもは、自分も人生を充実させようと生きるようになります。

 

あなたが輝くことで、子どもも輝きます

 

日本人は真面目なので、自分に時間を使うことに罪悪感がある方もいるかもしれません。そういう方は、「自分のために時間を使うことは、子どものため」だとお考えいただきたいです。「その方が成績は上がります」と断言できます。

 

今まで一生懸命に子育てに取り組んでこられたと思います。お子様に使っていた時間やエネルギーを、今度はご自身に使ってあげてください

 

「私の子なんだから大丈夫!」と思えるように、保護者様自身の自己肯定感を上げていただくことが非常に重要になります。自己肯定感を上げるためには、子どものことを考えないくらい、自分の好きなことに没頭することです。

 

あなたが輝くことで、子どもも輝きます。子どもの人生は子どもの人生。あなたの人生はあなたの人生です。